たんぽぽコーヒーの材料はたんぽぽの根っこです。
根を収穫した後、よく乾燥させて、焙煎の作業を経てできあがります。
コーヒーの成分でもあるクロロゲン酸というポリフェノールを含むため、コーヒーのようなコクを楽しむことができます。
ただし本物のコーヒーとちがい、カフェインは一切含んでいません。
たんぽぽコーヒーは漢方薬?
たんぽぽはキク科の多年草でユーラシア大陸に広く分布する植物です。
とくに中国発祥の漢方では、たんぽぽの全草を「蒲公英」(ほこうえい/ぼこうえい)、根っこを「蒲公英根」(ほこうえいこん/ぼこうえいこん)と呼び、古くから活用してきました。
たんぽぽの根っこを乾燥させた「蒲公英根」とはどのような漢方薬なのでしょうか。
タンポポの種類には様々あり、中国ではモウコタンポポ、シナタンポポ、オダサムタンポポ、韓国ではケイリンタンポポ、日本ではカンサイタンポポ、セイヨウタンポポといった種類のたんぽぽが見られます。
漢方は中国で生まれたものであるため、発祥当時はモウコタンポポが使われていた事が考えられますが、どの種類のタンポポも含んでいる成分にさほど違いはないと考えられます。
漢方薬の「蒲公英根」が使われるのは、どのようなときでしょうか。
それはお肌に吹き出物ができたときや扁桃腺などのどが腫れたとき、そのほか結膜炎や胃炎、肺炎、感染症など、様々な炎症が起きたときです。
また、母乳育児に励むお母さんは乳腺炎になってしまうことがあります。乳腺炎は悪化すると高熱が出る事もあり注意が必要です。
そんなとき「蒲公英根」とごぼうの種子を乾燥させた「牛房子」(ごぼうし)を煎じて飲むという民間療法があります。
母乳の出の悪さに悩む人が飲む漢方薬に「蒲公英湯」(ほこうえいとう/ぼこうえいとう)ものがあります。
「蒲公英根」のほか「当帰」(とうき)、はますげの根っこを乾燥させた「香附子」(こうぶし)、「牡丹皮」(ぼたんぴ)、山芋や長芋を乾燥させた「山薬」(さんやく)が配合されています。
とくに中国では長い歴史を経て親しまれてきた漢方薬。たんぽぽコーヒーの材料が漢方薬にも使われるという事で心配なさる方もおられるかもしれませんが、成分としてはとても穏やかなもの。たんぽぽの根っこ自体は食品です。
たんぽぽコーヒーはカフェインをまったく含みませんから、妊娠中の方も授乳中のお母さんも安心して飲む事ができます。また離乳後のお子様と親子ご一緒に楽しめるところもたんぽぽコーヒーの魅力です。